「従業員の給料を上げたい。でも、その余裕が…」
そう感じている社長は多いです。じつは、賃上げを後押しする国の制度がいくつもあります。
この記事は、中小企業・小規模事業者の社長向けです。2026年に使える「賃上げ系」の制度と、申請のポイントを、できるだけやさしくまとめました。
じつは「賃上げ補助金」という制度はありません
意外と知られていませんが、「賃上げ補助金」という名前の制度は1つではありません。
正しくは、賃上げを助けてくれる助成金や税の優遇を、まとめてそう呼んでいるだけです。国(中小企業庁)も、これらを1つのページにまとめて案内しています。
つまり、自分の会社に合うものを「選ぶ」ことが大事になります。
賃上げに使える主な制度(2026年)
- 業務改善助成金(厚生労働省)… 賃上げ+設備投資をセットで応援。最大600万円
- キャリアアップ助成金(厚生労働省)… パート・契約社員の正社員化や賃上げを応援
- 賃上げ促進税制… 補助金ではなく「税金が安くなる」しくみ
- 働き方改革推進支援助成金 など … 労働時間の改善とあわせた賃上げを応援
この中で、設備投資もしたい会社にいちばん人気なのが「業務改善助成金」です。くわしく見てみましょう。
業務改善助成金とは?(2026年度は大きく変わりました)
事業場でいちばん低い時給(事業場内最低賃金)を引き上げて、あわせて設備などに投資すると、その費用の一部をもらえる制度です。
2026年度(令和8年度)は、しくみが見直されました。おもな変更点はこちらです(最新の内容は公募要領でご確認ください)。
- 申請の受付が「9月1日」スタートに変更。1年中ではなく、期間を区切った受付になります
- 申請の締切は「地域別最低賃金が変わる日の前日」または「11月末」の早いほう。受付期間は2〜3か月ほどと短め
- 引き上げ額のコースが「50円・70円・90円」の3つに再編(30円コースは廃止)。最低でも50円の引き上げが必要です
- 助成の上限は最大600万円(10人以上の区分は条件あり)
- 助成率は時給1,050円が境目(1,050円未満は5分の4、1,050円以上は4分の3)
- 事業の完了期限は原則1月31日
対象になるのは?
中小企業・小規模事業者で、従業員がいることが前提です。事業場内最低賃金が、その地域の最低賃金に近い会社ほど使いやすい制度です。
なにに使える?(対象経費)
機械やシステムの購入費、人材育成や研修、専門家へのコンサルティング費用など、「仕事の効率を上げるもの」が幅広く対象です。
いちばんの注意点
交付決定(=国からの「進めてOK」のサイン)より前に設備を発注すると、対象外になります。先に買ってしまわないよう注意してください。
キャリアアップ助成金(人を育てて賃上げ)
パートや契約社員など、非正規の方の待遇を良くした会社を応援する制度です。賃上げと相性のよい2つのコースがあります。
- 正社員化コース… 非正規の方を正社員にして、賃金も上げた場合
- 賃金規定等改定コース… 非正規の方の基本給を3%以上上げた場合(上げ幅が大きいほど手厚くなります)
賃上げ促進税制(補助金ではありません)
こちらはお金がもらえる制度ではなく、賃上げをした会社の「税金が安くなる」しくみです。補助金や助成金と組み合わせて考えると効果的です。くわしくは中小企業庁の案内をご確認ください。
GビズIDは必要?
GビズID: 要確認(電子申請する場合は必要・プライム)
業務改善助成金やキャリアアップ助成金は、インターネットで申請(電子申請)する場合にGビズID(プライム)が必要になります。労働局の窓口や郵送で申請するなら、なくても申請できます。
※制度や年度で運用が変わることがあります。申請前に公式サイトでご確認ください。
申請の流れ(業務改善助成金の例)
- 賃上げと設備投資の計画を立てる
- 労働局に交付申請書を出す
- 交付決定(国からのGOサイン)を待つ
- 決定が出てから設備を導入し、賃上げを実施する
- 実績を報告する
- 助成金が支払われる
ポイントは、3番の「交付決定」より前に動かないことです。順番をまちがえると対象外になります。
スケジュール(2026年度)
業務改善助成金は、2026年度は9月ごろから受付が始まる見込みです。締切は地域ごとにちがい、受付期間も短めです。使う予定がある会社は、夏のうちに準備を始めると安心です。
まとめ
- 「賃上げ補助金」は1つの制度ではなく、複数の制度の総称
- 設備投資もするなら業務改善助成金(最大600万円)
- 非正規の方の待遇改善ならキャリアアップ助成金
- 2026年度の業務改善助成金は受付が9月から・期間短め。早めの準備がカギ
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参考(公式情報)
※この記事は2026年6月時点の情報です。最新の金額・要件・締切は、必ず公式サイトでご確認ください。