「海外へ売りたいけれど、展示会や商品開発の費用が重い」
そんな酒蔵、ワイナリー、酒販店などが確認したい補助金です。
海外展開支援枠は通常最大1,000万円。複数の酒類事業者で取り組む場合は、最大1,500万円まで広がります。これから準備して申請するなら、現実的な締切は第5期の2026年10月7日12時です。
酒類業振興支援事業費補助金とは?
日本産のお酒の輸出や、酒類業界の経営改革を支援する国税庁の補助金です。
対象となるのは、たとえば次のような取組です。
- 海外の展示会や商談会へ出る
- 海外向けの商品やブランドをつくる
- インバウンド客向けの体験や販売方法を開発する
- 国内の新しい市場へ進出する
- AIカメラやRFIDなどを使って製造・流通を効率化する
- 酒米の産地と連携し、安定調達の仕組みをつくる
設備を買うだけの制度ではありません。新商品、販路、ブランド、流通の仕組みまで含めて計画することがポイントです。
2つの申請枠があります
海外展開支援枠
日本産酒類の輸出、高付加価値化、海外販路、インバウンド需要の開拓などを支援します。
- 補助率:1/2
- 通常の上限:1,000万円
- 下限:50万円
複数の酒類事業者で申請する場合は、上限が増えます。
- 酒類事業者3者:最大1,200万円
- 4者:最大1,300万円
- 5者:最大1,400万円
- 6者以上:最大1,500万円
「最大1,500万円」は、1社だけで申請する場合の上限ではありません。
新市場開拓支援枠
商品の差別化、新しい販売方法、ICTを使った製造・流通の改善、酒米産地との連携などを支援します。
- 補助率:原則1/2
- 小規模酒類事業者:2/3
- 上限:500万円
- 下限:50万円
ここでいう小規模事業者は、常勤従業員20人以下です。卸売業・小売業は5人以下となります。
新市場開拓支援枠では、3〜5年の事業計画で給与支給総額を年平均1.5%以上、売上額または付加価値額を年平均3%以上増やす計画が必要です。目標を達成できない場合、補助金の一部返還を求められることがあります。
誰が使える?
日本国内に所在し、申請時点で次のいずれかに当てはまる方が対象です。
- 酒類の製造免許を持つ事業者
- 酒類の販売業免許を持つ事業者
- これらの事業者で構成される酒類業組合など
- 酒類事業者を1者以上含むグループ
酒蔵やワイナリーだけでなく、条件に合う酒販店やグループも対象になる可能性があります。
一方、国税の未納がある場合や、過去の事業化状況報告書が未提出の場合などは対象外です。
何に使える?
対象経費は幅広く設定されています。
- 機械、器具、情報システムなどの設備費
- 専門家への謝金
- 販路開拓や調査の旅費
- 設備のリース・レンタル料
- 通訳・翻訳費
- 会議やイベントの会場・機材費
- パンフレット、動画、写真、広告媒体などの広報費
- 委託費・外注費
- マーケティング調査費
- 商標や特許などの取得費
- 展示会への出展費
- 原材料、設計、デザイン、出演、運営にかかる費用
交付決定より前に発注した経費は、原則として対象外です。採択されても、契約や購入は交付決定を待ってください。
また、家賃や土地の取得費は対象外です。通常業務でも使う設備や、補助事業と関係のない会社PRも認められません。
「設備を買うだけ」は評価が下がります
公募要領では、経費がすべて設備投資で、設備導入だけで終わる事業は、審査で評価が劣後するとされています。
たとえばタンクや冷蔵設備を買うだけで終わらせず、次の取組まで計画に入れることが大切です。
- 導入した設備で新商品を試作する
- マーケティング調査を行う
- システムを一定期間テスト運用し、改善点を整理する
- 新しい販路やブランドづくりにつなげる
「何を買うか」だけでなく、「買ったあとに市場をどう広げるか」まで書きましょう。
酒米高騰・米国関税への対応は優先採択
酒米の価格高騰や米国の関税措置の影響を受け、その対応と補助事業の内容に関連性がある場合は、優先採択の対象となります。
酒米高騰への対応で優先採択を受けるには、申請者またはグループ内に酒類製造者がいる必要があります。
単に「影響を受けた」と書くだけではなく、仕入れ、原価、販売先への影響と、今回の取組がどうつながるかを具体的に整理しましょう。
申請はいつまで?
2026年度の第3〜5期は、次の日程です。
- 第3期:8月17日12時で終了
- 第4期:9月9日12時まで(すでに準備が整っている方向け)
- 第5期:10月7日12時まで(これから準備する場合の現実的な申請先)
申請はJグランツから行います。GビズIDプライムが必要です。
申請書や見積書、事業計画の準備には時間がかかります。いまから着手する場合は、9月9日の第4期へ無理に合わせず、第5期の10月7日を目標に進めるのが現実的です。
ただし、採択後の事業期間は2027年2月28日までです。第5期は採択と事業開始が遅くなるため、実施できる期間が短くなります。
申し込む前に確認したい4つ
- 酒類の製造・販売免許など、対象者の条件に合うか
- 海外展開と新市場開拓のどちらで申請するか
- 交付決定前に発注・契約していないか
- 2027年2月28日までに支払いまで完了できるか
迷ったら、事業実施場所を管轄する国税局の酒類業調整官へ相談できます。
まとめ
- 酒類業振興支援事業費補助金は、輸出、インバウンド、新市場開拓、商品開発などを支援
- 海外展開支援枠は通常最大1,000万円。6者以上のグループ申請で最大1,500万円
- 新市場開拓支援枠は最大500万円。小規模事業者は補助率2/3
- これから準備する場合は、第5期の2026年10月7日12時を目標にするのが現実的
- 設備を買うだけではなく、新商品や販路開拓まで計画することが大切
- 申請にはGビズIDプライムが必要
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公式情報:国税庁「酒類業振興支援事業費補助金」
※この記事は2026年9月3日時点の国税庁公式情報をもとにまとめています。金額、対象、募集時期は変更されることがあります。申し込む際は、必ず国税庁の公式ページと最新の公募要領をご確認ください。
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